自動車業界がやばい

部品メーカー×倒産の可能性

【2025年版】ジェイテクトを徹底解説|製品・決算・将来性まとめ

ジェイテクト株式会社は、ベアリング、ステアリングシステム、工作機械を主力製品とするグローバルメーカーです。

トヨタグループの主要サプライヤーであり、自動車部品、産業機械部品市場で高いシェアを誇ります。世界各国に拠点を持ち、本社は愛知県刈谷市に位置します。

この記事の執筆者(本田)

自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。

この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。

昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。

ジェイテクトの主な製品

製品カテゴリ 具体的製品
自動車部品 電動パワーステアリング(EPS)、ハイブリッドステアリング、ベアリング
産業機械部品 工作機械(研削盤、マシニングセンター)、軸受
エネルギー関連製品 風力発電用大型ベアリング

ジェイテクトの主な納入先

納入先企業 主な用途
トヨタ自動車 ステアリングシステム、ベアリング
ホンダ、日産、マツダ パワーステアリングシステム
産業機械メーカー 工作機械、産業用ベアリング
風力発電企業 大型ベアリング

ジェイテクトの決算分析(倒産リスク)

ジェイテクトの2024年3月期の決算状況は以下の通りです。

指標 数値
売上高 約1兆4,000億円(前年比+5.0%)
営業利益 約720億円(前年比+6.3%)
自己資本比率 約50%
現金及び預金残高 約1,500億円

倒産リスクについて

売上・利益ともに堅調で、自己資本比率も50%台を維持しています。財務内容は安定しており、短期的な倒産リスクは極めて低いといえます。ただし、トヨタグループ依存度が高いため、中長期的にはリスク分散戦略が求められます。

ジェイテクトの給与水準

項目 金額
平均年収 約740万円(2024年時点)
初任給(学部卒) 22.8万円
初任給(院卒) 24.8万円

トヨタグループ企業らしく、給与水準は比較的高めです。特に技術職・研究職では待遇が良く、福利厚生も充実しています。

ジェイテクトの将来性(EV時代に向けて)

EV化によるモビリティ革命に対応するため、ジェイテクトは事業構造の転換を進めています。

EV時代に向けた主な取り組み

  • EV向け電動パワーステアリング(EPS)の高性能化・小型化
  • バッテリー冷却用ポンプや熱制御システム部品開発
  • 産業用ロボット向けベアリング需要拡大
  • 風力発電向け大型ベアリング事業の強化

特に電動パワーステアリング分野では世界トップクラスのシェアを持ち、EV車両の普及に伴い今後も成長が期待されます。

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トランプ関税の影響

ジェイテクトは北米市場向け製品の供給比率が高いため、トランプ政権時代の関税政策の影響を受けました。

影響と対応策

  • 北米市場向け部品コストの上昇
  • メキシコ・米国拠点での生産比率増加によるリスク回避
  • 現地調達化による為替リスク・関税リスク軽減

トヨタ向け供給網の一環として、北米での現地生産体制を強化したことで、大きな打撃は回避できました。

ジェイテクトに関する口コミ・評判

社員口コミ

  • 「トヨタグループらしい堅実な経営と安定感」
  • 「技術開発には積極的で、チャレンジできる環境がある」
  • 「福利厚生や労働環境が整っている」
  • 「部署によっては保守的な文化が残る」

取引先口コミ

  • 「製品品質が非常に高く、安定している」
  • 「納期遵守率が高く、信頼できるサプライヤー」
  • 「新技術開発への柔軟性が高い」

まとめ

ジェイテクトは、自動車部品、産業機械部品分野で世界的に競争力を持つ企業です。安定した財務基盤とEV時代への柔軟な対応力を兼ね備えており、将来的な成長にも期待が持てます。短期的なリスクは小さく、引き続き注目すべき企業のひとつです。