自動車業界がやばい

部品メーカー×倒産の可能性

ナブテスコの決算と倒産リスクを徹底分析|財務安定性と成長性を評価

ナブテスコ株式会社は、精密減速機、鉄道車両用システム、航空機用機器、自動ドアなど、幅広い分野の機械部品・システムを手掛ける大手メーカーです。

モーションコントロール技術に強みを持ち、産業機械、鉄道、航空、建築設備など多岐にわたる業界で存在感を発揮しています。本社は東京都千代田区にあります。

この記事の執筆者(本田)

自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。

この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。

昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。

ナブテスコの主な製品

製品カテゴリ 具体的製品
産業用機器 精密減速機(RV減速機)、建設機械用油圧機器
鉄道用機器 ブレーキシステム、ドア開閉装置
航空機用機器 操舵システム、アクチュエーター
建築設備用機器 自動ドアシステム

ナブテスコの主な納入先

納入先企業・団体 主な用途
鉄道会社各社(JR、私鉄) 鉄道車両用ブレーキ、ドアシステム
航空機メーカー(ボーイングなど) 操舵・飛行制御システム
産業用ロボットメーカー(ファナック、安川電機など) 精密減速機
建設機械メーカー(コマツ、キャタピラーなど) 油圧機器

ナブテスコの決算分析(倒産リスク)

ナブテスコの2024年12月期第1四半期時点での業績は以下の通りです。

指標 数値
売上高 約3,000億円(年間見込み、前年比+4.0%)
営業利益 約360億円(年間見込み、前年比+3.5%)
自己資本比率 約55%
現金及び預金残高 約400億円

倒産リスクについて

自己資本比率が高く、手元流動性も潤沢なため、短期的な倒産リスクは極めて低いです。鉄道、航空、産業機械とバランスの取れた事業ポートフォリオを持っており、不況時にも安定しやすい収益構造が特徴です。

ナブテスコの給与水準

項目 金額
平均年収 約870万円(2024年時点)
初任給(学部卒) 23.5万円
初任給(院卒) 25.5万円

給与水準は製造業の中でも高い部類に入り、特に技術職・開発職では高い成果報酬が期待できます。福利厚生も非常に充実しており、長期勤務志向に向いています。

ナブテスコの将来性(EV時代に向けて)

ナブテスコはEV化に伴うモビリティの変化にも柔軟に対応しています。

EV時代に向けた主な取り組み

  • EV車両向けブレーキシステムの高度化(電動ブレーキシステム)
  • ロボティクス向け精密減速機需要の拡大対応
  • バッテリー工場向け自動搬送設備(AGVシステム)展開
  • 鉄道・航空分野における脱炭素対応製品の開発

EV専業メーカーだけでなく、モビリティ全般に対応するため、ナブテスコは事業基盤を着実に進化させています。

トランプ関税の影響

ナブテスコは米国市場向けに航空機・建設機械向け製品を供給しているため、トランプ関税政策下で一定の影響がありました。

影響と対応策

  • 航空機部品のコスト増加リスクへの対応
  • 米国内販売比率引き上げによる為替リスク緩和
  • 生産拠点の再配置による関税影響回避

全体としては堅実なリスク管理で、トランプ関税の影響は最小限に抑えられています。

ナブテスコに関する口コミ・評判

社員口コミ

  • 「安定感抜群で福利厚生が非常に良い」
  • 「技術者として新しいことに挑戦できる風土がある」
  • 「海外展開が活発で、グローバルに働けるチャンスがある」
  • 「部署によっては保守的な文化も残る」

取引先口コミ

  • 「製品品質が非常に高く、信頼性がある」
  • 「納期管理とアフターサポートが手厚い」
  • 「価格はやや高めだが、それに見合う性能がある」

まとめ

ナブテスコは、精密機器・モーションコントロール分野で確固たる地位を築く企業です。安定した財務基盤と事業多角化により、景気変動にも強く、EVシフトにも着実に対応を進めています。将来的にも高い成長が期待できる注目企業です。

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