日本ガイシ株式会社(NGK Insulators, Ltd.)は、セラミックス技術を基盤とする大手素材メーカーです。
電力インフラ用のがいし製品から、環境製品(排ガス浄化用セラミックス)、エネルギー機器(NAS電池)まで、幅広い分野で事業を展開しています。本社は愛知県名古屋市にあり、世界各国に拠点を持つグローバル企業です。
この記事の執筆者(本田)
自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。
この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。
昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。
日本ガイシの主な製品
製品カテゴリ | 具体的な製品 |
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電力インフラ製品 | 高圧がいし、送電線用がいし、電力機器部材 |
環境製品 | 排ガス浄化用セラミック(DPF、触媒担体) |
エネルギー機器 | 大型蓄電池(NAS電池)、次世代電池技術 |
電子部品 | セラミック基板、各種高周波用セラミック部材 |
日本ガイシの主な納入先
納入先企業 | 主な用途 |
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電力会社各社(国内外) | 高圧がいし、送電インフラ部材 |
トヨタ、ホンダ、フォルクスワーゲンなど | 自動車用排ガス浄化セラミックス |
再生可能エネルギー企業 | 大型蓄電池(NAS電池)導入 |
日本ガイシの決算分析(倒産リスク)
日本ガイシの2024年3月期決算は、以下のように堅調に推移しています。
指標 | 数値 |
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売上高 | 5,500億円(前年比+6.0%) |
営業利益 | 820億円(前年比+8.3%) |
自己資本比率 | 72% |
現金及び預金残高 | 1,400億円以上 |
倒産リスクについて
自己資本比率70%超、現金も潤沢であり、財務的には非常に安定しています。電力インフラ、自動車部品、エネルギー事業とリスク分散されているため、短期的な倒産リスクはほぼありません。
日本ガイシの給与水準
項目 | 金額 |
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平均年収 | 約810万円(2024年時点) |
初任給(学部卒) | 23.5万円 |
初任給(院卒) | 25.5万円 |
年収は日本の製造業平均より高く、特に技術系社員の待遇が良いと評判です。賞与支給水準も安定しており、福利厚生面でも恵まれています。
日本ガイシの将来性(EV時代に向けて)
自動車業界のEV化が進む中、日本ガイシも次世代製品開発に積極的に取り組んでいます。
EV時代に向けた主な取り組み
- EV向け高性能セラミック部品の開発(バッテリー関連部材など)
- DPFに代わる新たな排ガス処理技術の開発
- 大型蓄電池(NAS電池)による再生エネルギー連携強化
EV化によって一部既存事業(排ガス浄化関連)は縮小リスクがありますが、エネルギー機器・蓄電池事業への拡大によりカバーできる可能性が高いとみられます。
トランプ関税の影響
日本ガイシはグローバル展開しており、米国市場向けの製品も多いため、トランプ政権時代には一定の影響を受けました。
具体的影響内容
- 自動車部品(排ガス浄化セラミックス)への関税負担増
- 価格競争力低下への対策(現地生産化)
- 米国エネルギー市場向け大型蓄電池案件への慎重対応
現在は米国拠点での生産比率を高めており、関税リスクを最小限に抑える努力がなされています。
日本ガイシに関する口コミ・評判
社員口コミ
- 「大企業らしく安定感抜群。福利厚生も良い。」
- 「技術者としては研究開発に力を入れられる環境。」
- 「年功序列色が強いが、最近は成果主義も少しずつ浸透。」
- 「海外出張・赴任のチャンスもあり、キャリアの幅が広い。」
取引先口コミ
- 「セラミックス技術の品質が非常に高い。」
- 「製品納入後のサポート体制も丁寧。」
- 「価格交渉は厳しいが、製品性能には満足している。」
まとめ
日本ガイシは、電力インフラから自動車部品、エネルギー機器まで幅広い事業を展開するグローバル素材メーカーです。財務基盤が非常に強く、EV時代にもエネルギー関連事業を柱に成長が見込める企業です。倒産リスクはほぼ皆無であり、将来性も十分に高いと評価できます。