自動車業界がやばい

部品メーカー×倒産の可能性

共和レザー株式会社の全貌:内装材トップ企業の強みとEV時代への戦略

共和レザー株式会社(KYOWA LEATHER CLOTH CO., LTD.)は、1935年に設立された合成樹脂製品メーカーで、特に自動車内装用合成皮革の分野で国内シェアNo.1、世界でもNo.2の地位を誇ります。

本社は静岡県浜松市にあり、トヨタグループの一員として、シート、ドアトリム、コックピットなどの内装部品を提供しています。

この記事の執筆者(本田)

自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。

この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。

昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。

会社概要

項目 内容
設立 1935年8月1日
本社所在地 静岡県浜松市中央区東町1876番地
資本金 18億1千万円
代表者 取締役社長執行役員 花井幹雄
従業員数 1,395名(連結、2024年3月末現在)
売上高 520億円(2024年3月期)
上場市場 東京証券取引所 スタンダード市場
主要製品 合成皮革表皮材(自動車内装用)、住宅・雑貨用合成皮革
主要取引先 トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ 他

決算分析と倒産リスク

2024年3月期の売上高は520億円で、堅調な業績を維持しています。自己資本比率は過去5年間で減少傾向にあるものの、財務基盤は安定しています。トヨタグループへの売上依存度が約50%と高いため、同グループの生産動向に影響を受けやすい点はリスク要因ですが、現時点で倒産の可能性は低いと考えられます。

給与水準と初任給

共和レザーの給与水準は以下の通りです。賞与は年2回で、年間5ヶ月分以上を維持しています。

項目 金額
初任給(大学卒) 226,040円
初任給(院卒) 240,040円
平均年収 約414万円
賞与 年2回(6月・12月)

将来性とEVシフトへの対応

自動車業界の電動化が進む中、共和レザーはEVにも対応可能な内装材の開発を進めています。合成皮革はEV車でも必要とされるため、他のエンジン部品メーカーと比べて影響は限定的です。また、住宅やファッション分野への展開も進めており、事業の多角化によって将来性を高めています。

トランプ関税の影響

2025年に再導入されたトランプ関税により、日本から米国への自動車部品輸出に対して25%の関税が課されることとなりました。共和レザーも米国市場に製品を供給しているため、コスト増加や価格競争力の低下などの影響が懸念されています。しかし、同社は生産拠点の多様化や現地調達の強化など、リスク分散の取り組みを進めています。

社員口コミと職場環境

社員からの口コミによると、福利厚生が充実しており、働きやすい環境が整備されています。また、技術研修やキャリアアップの機会も提供されており、社員の成長を支援する体制が整っています。一方で、部署によっては業務量の偏りやコミュニケーションの課題が指摘されることもあります。

評価項目 スコア(5点満点)
会社の成長性や将来性 3.0
事業の優位性や独自性 3.5
実力主義 2.8
活気のある風土 2.9
20代成長環境 2.7
仕事を通じた社会貢献 3.1
イノベーションへの挑戦 2.9
経営陣の手腕 2.8

総合評価は3.0点で、特に事業の優位性や独自性に対する評価が高い一方、実力主義や活気のある風土については改善の余地があるとされています。

まとめ

共和レザー株式会社は、自動車内装用合成皮革の分野で国内外において高いシェアを持つ企業です。EVシフトや国際的な関税政策などの外部環境の変化に対応するため、新製品の開発や事業の多角化、リスク分散の取り組みを進めています。社員の働きやすさや成長支援の体制も整っており、今後の動向が注目される企業の一つです。

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