株式会社日鍛バルブ(NITTAN)は、1924年に設立された日本の自動車部品メーカーで、主にエンジンバルブの製造を手がけています。本社は神奈川県秦野市にあり、国内外に複数の生産拠点を持ち、従業員数は約700名、連結で約2,640名です。
主な取引先には、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダなどの大手自動車メーカーが含まれます。
この記事の執筆者(本田)
自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。
この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。
昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。
会社概要
項目 | 内容 |
---|---|
設立年 | 1924年 |
本社所在地 | 神奈川県秦野市曽屋518番地 |
資本金 | 45億3,100万円 |
従業員数 | 700名(連結:2,640名) |
主な製品 | エンジンバルブ、バルブシート、バルブスプリング |
主要取引先 | トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ 他 |
決算分析と倒産リスク
日鍛バルブは、エンジンバルブの専門メーカーとして長年にわたり安定した業績を維持してきましたが、近年の自動車業界の変革により、業績に影響が出始めています。特に、電動車(EV)の普及に伴い、内燃機関向け部品の需要が減少しており、これが売上や利益に影響を及ぼしています。しかし、同社は新たな製品開発や事業の多角化を進めており、現時点で倒産のリスクは高くないと考えられます。
給与水準と初任給
日鍛バルブの平均年収は約684万円で、業界平均と比較しても高水準にあります。初任給については、大学卒で約21万円前後とされており、福利厚生や昇給制度も整備されています。
項目 | 金額 |
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平均年収 | 約684万円 |
初任給(大学卒) | 約21万円 |
平均年齢 | 42.8歳 |
将来性とEVシフトへの対応
自動車業界全体が電動化へと進む中、日鍛バルブも新たな製品開発や事業の多角化を進めています。例えば、電動車向けの新しいバルブ技術の開発や、他の産業分野への進出などが挙げられます。これらの取り組みにより、同社は今後の市場変化にも柔軟に対応していくことが期待されます。
トランプ関税の影響
2025年に再導入されたトランプ関税により、日本から米国への自動車部品輸出に対して25%の関税が課されることとなりました。日鍛バルブも米国市場に製品を供給しているため、コスト増加や価格競争力の低下などの影響が懸念されています。しかし、同社は生産拠点の多様化や現地調達の強化など、リスク分散の取り組みを進めています。
社員口コミと職場環境
社員からの口コミによると、日鍛バルブは福利厚生が充実しており、働きやすい環境が整備されているとの評価があります。また、技術研修やキャリアアップの機会も提供されており、社員の成長を支援する体制が整っています。一方で、部署によっては業務量の偏りやコミュニケーションの課題が指摘されることもあります。
評価項目 | スコア(5点満点) |
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会社の成長性や将来性 | 2.8 |
事業の優位性や独自性 | 3.1 |
実力主義 | 3.0 |
活気のある風土 | 2.8 |
20代成長環境 | 2.8 |
仕事を通じた社会貢献 | 2.8 |
イノベーションへの挑戦 | 2.8 |
経営陣の手腕 | 2.7 |
総合評価は2.9点で、特に事業の優位性や独自性に対する評価が高い一方、経営陣の手腕や活気のある風土については改善の余地があるとされています。
まとめ
日鍛バルブは、長年にわたりエンジンバルブの製造で実績を積み重ねてきた企業です。現在、自動車業界の電動化や国際的な関税政策など、さまざまな外部環境の変化に直面していますが、新製品の開発や事業の多角化、リスク分散の取り組みにより、これらの課題に対応しています。社員の働きやすさや成長支援の体制も整っており、今後の動向が注目される企業の一つです。