中央自動車工業株式会社は、自動車アフターマーケットにおいて洗車・コーティング剤や補修用ケミカルといった用品分野で確固たる地位を築いている、東証スタンダード上場の専門メーカーです。トヨタやホンダなどの国内ディーラーを中心に製品を供給し、業界内では「CPCシリーズ」に代表される高品質なコーティング技術で知られています。EV化や自動車販売モデルの変化といった業界の大きな潮流の中でも、独自の開発力と営業ネットワークを武器に安定した業績を維持しています。本記事では、同社の事業概要から財務状況、競合比較、給与・社風、今後の成長戦略に至るまで、総合的に分析していきます。
この記事の執筆者(本田)
自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。
この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。
昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。
中央自動車工業を徹底解説|自動車アフターマーケットのリーディング企業を分析
中央自動車工業株式会社は、自動車アフターマーケットにおいて独自のポジションを築く東証スタンダード上場企業です。洗車・コーティング剤、車両用ケミカル製品、補修用塗料などを主力製品としており、ディーラー・整備工場・カー用品店などに広く納入しています。本記事では、同社の会社概要から財務内容、競合比較、将来性まで多角的に考察します。
会社概要(製品・納入先)
カテゴリ | 内容 |
---|---|
主力製品 | 洗車・コーティング剤、自動車用ケミカル、補修塗料、車載用品 |
納入先 | トヨタ系ディーラー、ホンダ、日産、整備工場、カー用品店 |
販売エリア | 国内全域・一部海外(東南アジア・中東) |
決算分析(倒産の可能性)
指標 | 数値(2024年3月期) |
---|---|
売上高 | 約190億円 |
営業利益 | 約16億円 |
自己資本比率 | 78.5% |
現預金 | 約57億円 |
財務内容は極めて健全で、実質無借金経営を維持しています。安定的な収益構造と高い自己資本比率から見ても、倒産リスクは非常に低い水準です。
競合他社との比較
企業名 | 主力分野 | 売上高 | 特徴 |
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中央自動車工業 | カーケミカル・補修用品 | 約190億円 | 販社網と高収益モデル |
ソフト99 | カーケア用品 | 約120億円 | 自社ブランド力が強い |
アクア(旧イチネン) | ケミカル・洗車機器 | 約350億円 | 業務用に強み |
給与水準(初任給も)
項目 | 金額(目安) |
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初任給(大卒) | 218,000円 |
平均年収 | 約540万円 |
賞与 | 年2回(4.0ヶ月分程度) |
年功序列にやや寄った給与体系ですが、福利厚生や安定感には定評があります。残業は少なく、営業職でもワークライフバランスが取りやすいとの声が多数です。
将来性・安定性(EV時代への対応)
EVの普及によりエンジン系ケミカルの市場縮小が懸念されますが、中央自動車工業はEV向けボディケア製品や新型コーティング剤の開発を進めており、今後もアフターサービス需要に応じた製品展開が可能です。自動車販売店向けの販促支援など、サービス領域にも注力している点が強みです。
トランプ関税の影響・海外進出の可能性
米国への直接輸出は限定的なため、関税の直接的影響は軽微です。ただし、仕入れに使う原料価格の高騰や物流費増加には警戒が必要です。ASEAN市場を中心に海外展開は継続しており、販社との連携によるローカライズ販売の拡充が期待されています。
過去の不祥事
現在までに目立った不祥事や品質問題の公表はなく、コンプライアンス遵守意識の高い企業文化が根付いているとされています。内部統制強化も継続的に実施されています。
口コミ(良い口コミ・悪い口コミ)
良い口コミ
- 営業ノルマが厳しくなく、顧客とじっくり向き合える社風。
- 車好きにはやりがいがある環境。試作品に触れる機会も多い。
- 中途採用にも公平で、実力があれば昇進可能。
悪い口コミ
- 保守的な企業体質で、新規事業への投資は慎重。
- 管理部門は昇進スピードが遅め。
- 地方営業所は人手不足が課題になることも。