機械部品の中でも高い精度と耐久性が求められる「メカニカルシール」分野において、国内トップシェアを誇るのがイーグル工業株式会社です。
自動車、建設機械、航空宇宙、発電所設備など、幅広い産業を支える同社は、国内外の大手メーカーに製品を提供し続ける実力派サプライヤーとして知られています。
近年では、EV(電気自動車)化や半導体製造向け需要の拡大にも対応し、堅調な業績を維持しています。
本記事では、イーグル工業の企業概要から財務分析、競合比較、将来性、社員の口コミまで、多角的に掘り下げて解説します。
この記事の執筆者(本田)
自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。
この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。
昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。
イーグル工業の会社概要
社名 | イーグル工業株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 東京都港区 |
設立 | 1964年 |
従業員数 | 約6,300名 |
主な製品 | メカニカルシール、特殊バルブ |
主要取引先 | 自動車、建設機械、船舶、航空機、半導体製造装置、原子力発電所関連企業 |
イーグル工業の決算分析
年度 | 売上高(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率(%) |
---|---|---|---|
2024年3月期 | 1,670 | 120 | 7.2 |
2025年3月期(予想) | 1,700 | 131 | 7.7 |
2024年3月期の売上高は1,670億円で過去最高を記録し、営業利益は120億円、営業利益率は7.2%でした。2025年3月期は売上高1,700億円、営業利益131億円、営業利益率7.7%を見込んでいます。
営業利益率が5%以上の企業は稼ぐ力があるので、倒産の可能性は低く、安定した財務基盤を有していると言えます。
競合他社との比較
企業名 | 主な製品 | 強み |
---|---|---|
イーグル工業株式会社 | メカニカルシール、特殊バルブ | 高いシェアとグローバル展開 |
日本精工株式会社 | ベアリング、精密機器 | 幅広い製品ラインナップ |
日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ、セラミック製品 | セラミック技術の応用力 |
給与水準
学歴 | 初任給(月給) |
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大学卒 | 185,000円 |
高等学校卒 | 163,000円 |
平均年収は約550万円で、評価制度により昇進のスピードが上がっています。
福利厚生として、寮や通勤手当、社内預金制度、持ち株制度などが整備されています。
将来性(EV車への対応)
EV市場の拡大に伴い、内燃機関向け製品の需要減少が懸念されていますが、イーグル工業はEV向け製品の開発・拡販に注力しています。2030年度には次世代製品で売上高200億円以上を目指しています。
トランプ関税の影響
米国新政権の相互関税政策により、米国グループ会社での関税負担増が直接的な影響として業績予想に織り込まれています。今後の事業動向に注視が必要です。
過去の不祥事
現時点で公表されている重大な不祥事は確認されていません。
口コミ
- 「福利厚生が充実しており、社内預金や持ち株制度が利用できる。」
- 「評価制度が整備され、昇進のスピードが上がっている。」
- 「グローバルに働ける環境が整っている。」
イーグル工業株式会社は、メカニカルシールの分野で高いシェアを持ち、安定した財務基盤とグローバルな展開力を有しています。EV市場への対応や新製品の開発により、今後の成長が期待されます。