自動車業界がやばい

部品メーカー×倒産の可能性

日産依存のリスクが浮上…三桜工業の経営危機を読み解く

三桜工業株式会社は、自動車の燃料・ブレーキ配管系部品で長年の実績を持つ老舗サプライヤーです。

しかし、EV化や顧客構造の変化により苦戦を強いられており、業界内では「やばい」との声も囁かれています。

本記事では、三桜工業の現状と課題、将来性について詳しく解説します。

この記事の執筆者(本田)

自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。

この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。

昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。

 

会社概要

主な製品

  • ブレーキ配管(ブレーキチューブ、ホース)
  • 燃料系配管(フューエルチューブ、ベーパーチューブ)
  • 樹脂配管(ナイロンチューブなど)
  • EV向け冷却配管(新分野への挑戦中)

主要納入先

  • 日産自動車(売上比率が高い)
  • トヨタ、スズキ、マツダなど国内OEM
  • 海外OEM(フォード、GM、現代)

決算分析

2024年3月期(連結)

項目 金額 前年比
売上高 1,420億円 +1.1%
営業利益 18億円 -23.7%
経常利益 12億円 -31.5%
当期純利益 ▲3億円(赤字転落)
自己資本比率 34.1% やや低水準

倒産の可能性

  • 短期的な倒産リスクは低いが、赤字続きで財務基盤に不安あり
  • 大口顧客(日産)の動向次第で急激な受注減のリスク
  • 構造改革・EV対応の遅れが継続すれば将来的な危険性あり

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「やばい」と言われている理由

  • 内燃機関用の燃料・ブレーキ配管に依存しておりEVで需要減
  • EV向け製品の売上比率がまだ低く、構造転換が進んでいない
  • 日産依存が大きく、日産の販売不振と連動して業績悪化
  • グローバル展開は進めているが収益性に難あり
  • 直近の決算で赤字に転落しており、業界内で警戒感が強まる

給与水準

初任給(2024年度)

  • 学部卒:月給225,000円
  • 修士卒:月給248,000円

平均年収

  • 約590万円(上場企業平均よりやや低め)
  • 30代技術系:600〜700万円

将来性(EV車になった時)

  • 燃料系配管の需要はEVで激減 → 主力事業が縮小へ
  • 新規事業(バッテリー冷却配管など)への移行が急務
  • 軽量化技術・樹脂加工など、EVに適した素材転換に期待
  • 将来的には水素自動車向け配管事業も可能性あり

トランプ関税の影響

  • アメリカ向け製品あり、鉄鋼・アルミ関税で原材料コスト上昇
  • メキシコやアジア拠点からの現地供給でリスク分散を進行中
  • 米中摩擦の影響は中長期的に続くとみられ、輸出型体質には逆風

職場環境

退職率・定着率

  • 新卒3年以内の離職率:約20〜25%
  • 特に事務系・営業系職種で退職率が高い

退職者の声

  • 「工場現場の空気が古い」
  • 「海外駐在の負担が大きく、手当も不満」
  • 「キャリアパスが不透明で成長実感が得にくい」

過去に起きたトラブル

  • 2019年:中国工場で品質不正問題が発覚し、複数OEMから再調査要求
  • 2020年:国内工場で労災トラブル、作業環境の見直し実施
  • 2023年:赤字決算が続き、経営再建プラン発表

三桜工業の口コミ

良い口コミ

  • 人間関係の良好さ:現場の役職者は親切で、分かりやすい指導を行っており、働きやすい環境が整っています。指導者自身も作業を経験しているため、つらい部分を理解してくれるとの声があります。
  • ワークライフバランス:残業はあまりなく、定時での勤務が基本です。ただし、突発的に業務が集中することもあり、瞬発力が求められる場面もあります。
  • 福利厚生の充実:通勤手当や家族手当などの一般的な手当が支給され、退職金制度も明確な基準があります。新設の建物は設備が新しく、快適なオフィス環境が整っています。
  • 女性の働きやすさ:女性でも役職に就いている人がいるなど、女性の活躍の場があり、仕事と家庭のバランスを取りながら働ける環境が整っています。

悪い口コミ

  • 給与・昇給の不満:初任給は世間並みですが、昇給率があまり高くなく、給与面での不満が見受けられます。
  • 評価制度の不透明さ:上司が部下の業務を把握していないため、昇格の基準が不明確であり、評価制度に対する不満があるとの声があります。
  • 職場環境の厳しさ:工場設備の老朽化が進んでおり、職場環境の改善が求められています。
  • 業務負荷の偏り:一部の社員には多くの業務が集中しており、業務負荷の偏りが課題となっています。

総合的な評価

三桜工業は、人間関係の良好さやワークライフバランスの取りやすさ、福利厚生の充実など、働きやすい環境が整っています。一方で、給与や評価制度、職場環境の改善など、課題も存在しています。これらの点を踏まえ、自身のキャリアプランや働き方の希望に合致するかを検討することが重要です。

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