自動車業界の変革期にあって、部品メーカーにも高度な対応力と技術革新が求められる時代。そんな中、IoTやAIを駆使して「生産性向上」と「カーボンニュートラル対応」を両立させている中堅企業が、愛知県に本社を構える旭鉄工株式会社です。
トヨタ自動車の一次サプライヤーとして長年にわたりエンジン・トランスミッション・ブレーキ部品などを供給してきた同社は、今や製造現場のDX化を牽引する存在としても注目されています。
本記事では、旭鉄工の企業概要、決算情報、競合比較、EV時代への適応力、そして働く環境に至るまで、多角的に分析していきます。
この記事の執筆者(本田)
自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。
この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。
昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。
会社概要
社名 | 旭鉄工株式会社 |
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創立 | 1941年8月 |
資本金 | 2,700万円 |
従業員数 | 432名(2023年4月30日時点) |
売上高 | 169億円(2023年度) |
主な製品 |
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主要取引先 | トヨタ自動車株式会社 他 |
拠点 |
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決算分析と倒産リスク
旭鉄工の2023年度の売上高は169億円であり、安定した業績を維持しています。トヨタ自動車の一次サプライヤーとしての地位を確立しており、経営基盤は堅固です。
倒産リスクは低いと考えられますが、自動車業界の変動やEV化の進展に伴う市場の変化には注意が必要です。
競合他社との比較
企業名 | 主な製品 | 特徴 |
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旭鉄工株式会社 | エンジン・トランスミッション・ブレーキ部品 | IoT・AIを活用した生産効率の向上 |
株式会社アイシン | トランスミッション・ブレーキシステム | トヨタグループの主要部品メーカー |
株式会社ジェイテクト | ステアリング・ベアリング | トヨタグループの主要部品メーカー |
給与水準
学歴 | 初任給(月給) |
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大学院卒 | 230,000円 |
大学卒 | 215,000円 |
高等専門学校卒 | 215,000円 |
短大・専門学校卒 | 195,000円 |
※上記金額には一律通勤手当5,000円が含まれています。30kmを超える通勤者には追加で5,000円が支給されます。
将来性とEV化への対応
自動車業界ではEV化が進展しており、エンジン関連部品の需要減少が懸念されています。旭鉄工は、IoTやAIを活用した生産効率の向上や、カーボンニュートラルへの取り組みなど、先進的な技術導入により、EV時代に対応する体制を整えています。
今後は、EV向け部品の開発や新たな事業分野への進出が期待されます。
トランプ関税の影響
トランプ政権下での鉄鋼・アルミニウム製品への25%の関税導入は、日本の自動車部品メーカーにとってコスト増加要因となりました。
旭鉄工も、原材料価格の上昇や輸出競争力の低下など、間接的な影響を受ける可能性があります。今後の米国の通商政策の動向に注視が必要です。
旭鉄工の口コミ
良い口コミ
- 有給休暇の取得がしやすい:「有給が非常に取りやすい」「上司が率先して有給休暇を消費するため、取りやすい雰囲気」といった声が多く、休暇取得のしやすさが評価されています。
- 残業代や休日出勤手当の支給:「残業代、休日出勤の手当ては必ず出る」との口コミがあり、労働時間に対する適切な手当が支給されている点が挙げられています。
- フレックス制度の活用:「フレックス制度を活用しており、出勤時間を自由にしやすい」との意見があり、柔軟な働き方が可能であることが評価されています。
悪い口コミ
- 昇給・賞与の少なさ:「昇給、賞与があまりにも少ないため、やるきが出ない社員が多い」との声があり、給与面での不満が見受けられます。
- 繁忙期の労働時間:「繁忙期は2~3ヶ月位休みがない」「突発的に時間外での呼び出しもある」といった意見があり、繁忙期の労働時間の長さが指摘されています。
- 職場環境の厳しさ:「事業所は鉄粉、シンナー、その他粉塵が溢れており」「職場には怒号が毎日飛び交っています」との口コミがあり、職場環境の厳しさが挙げられています。
総合的な評価
旭鉄工は、有給休暇の取得しやすさやフレックス制度の活用など、働きやすい環境が整っている一方で、昇給や賞与の少なさ、繁忙期の労働時間の長さ、職場環境の厳しさなどの課題も指摘されています。これらの点を踏まえ、働き方やキャリアプランを検討する際には、慎重な判断が求められます。
旭鉄工の会社情報まとめ
旭鉄工株式会社は、長年にわたり自動車部品の製造を手がけてきた実績と、先進技術の導入による生産効率の向上を強みとしています。今後は、EV化や国際的な通商政策の変化に対応しながら、持続的な成長を目指すことが求められます。