シロキ工業(現・アイシンシロキ株式会社)は、自動車部品メーカーとしてトヨタや日産といった大手自動車メーカーに製品を供給する、アイシングループの中核企業の一つです。
特にシート骨格やウインドレギュレータ、ドア部品など、車体の快適性と安全性に直結する部品を手がけており、軽量化技術やモジュール設計などに強みを持っています。
しかし、近年は「やばい」との噂も散見されており、業績や職場環境に対する懸念の声が広がっています。
本記事では、同社の決算動向や製品構成、将来のEV対応状況などを総合的に分析し、その実態と展望に迫ります。
この記事の執筆者(本田)
自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。
この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。
昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。
- シロキ工業の最新ニュース
- 会社概要
- 決算分析
- 「やばい」と言われている理由
- 給与水準
- 将来性(EV車への対応)
- トランプ関税の影響
- 職場環境
- 退職者の声
- 過去に起きたトラブル
- シロキ工業の口コミまとめ
- 将来的な展望
シロキ工業の最新ニュース
- 2025年1月、アイシンシロキ株式会社は、社名変更後初の新体制での事業展開を発表し、EV関連部品の開発強化を表明しました。
- 2025年4月、ベトナムに新たな現地法人「ミラクールベトナム」を設立し、アジア市場への展開を加速しています。
会社概要
基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
会社名 | アイシンシロキ株式会社(旧:シロキ工業株式会社) |
本社所在地 | 愛知県豊川市千両町下野市場35-1 |
設立 | 1946年3月 |
資本金 | 22億円 |
従業員数 | 約4,300名(連結) |
アイシンシロキ株式会社は、アイシングループの一員として、自動車用シート骨格部品やドアサッシ、ウインドレギュレータなどの製造を手掛けています。主要取引先にはトヨタ自動車、日産自動車、スズキなどがあり、国内外に生産拠点を展開しています。
製品と納入先
- 製品:自動車用シート骨格部品、ドアサッシ、ウインドレギュレータ、モールディングなど
- 主要取引先:トヨタ自動車、日産自動車、スズキ、ダイハツ工業、マツダなど
決算分析
2024年3月期 連結決算
項目 | 金額 | 前年比 |
---|---|---|
売上高 | 1,252億7,300万円 | +6.2% |
営業利益 | 22億1,000万円 | -19.0% |
経常利益 | 29億3,200万円 | -9.8% |
当期純利益 | 17億2,100万円 | -15.5% |
売上高は増加したものの、営業利益や純利益は減少しており、収益性の改善が課題となっています。
「やばい」と言われている理由
- 営業利益率の低下が続いており、収益性に懸念がある。
- 親会社であるアイシンの方針により、独自性の発揮が難しくなっている。
- 人間関係や職場環境に関するネガティブな口コミが散見される。
給与水準
初任給(2024年度)
学歴 | 初任給 |
---|---|
大学院卒 | 月給238,000円 |
大学卒 | 月給220,000円 |
賞与は年2回(7月・12月)で、2024年度実績は5.4ヶ月分。年間休日は121日で、完全週休2日制を採用しています。
将来性(EV車への対応)
- EV化に伴い、軽量化部品の需要が増加しており、同社のロール成形技術が注目されています。
- 親会社のアイシンと連携し、EV関連部品の開発を強化しています。
- 海外拠点の拡充により、グローバルな供給体制を整備しています。
トランプ関税の影響
- 米国市場向け製品に対する関税の影響を受け、コスト増加の懸念があります。
- 生産拠点の再編やサプライチェーンの見直しが求められています。
職場環境
- 新卒採用者の定着率は高く、2022年・2024年は100%を維持しています。
- 一部の工場では働きやすい環境が整っているとの声がありますが、他の工場では人間関係や上司との関係に課題があるとの指摘もあります。
退職者の声
- 「上司に気に入られないと評価が上がらない。」
- 「新入社員へのフォローが不十分で、孤立することがある。」
- 「管理職が多く、現場への負担が大きい。」
過去に起きたトラブル
- 2021年、名古屋工場の生産機能をトヨタ紡織に譲渡し、事業再編を実施。
- 過去には、経営統合や生産拠点の再編に伴う混乱が見られました。
シロキ工業の口コミまとめ
良い口コミ
- 「休日がしっかり取れる」 – 完全週休2日制で年間休日も多く、プライベートの時間を確保しやすい。
- 「福利厚生はアイシングループ基準」 – グループ共通の福利厚生制度が利用でき、住宅補助や各種手当が充実している。
- 「業績が安定している」 – トヨタ系の受注が中心で、景気変動の影響を受けにくい。
- 「工場によっては人間関係が良い」 – 一部工場では風通しがよく、若手も意見を言いやすい環境。
悪い口コミ
- 「評価が上司次第」 – 実力よりも上司との相性や印象で昇格が決まる傾向があるという声が複数。
- 「残業の多さにばらつき」 – 部署や配属先によっては残業が多く、忙しさの偏りが大きい。
- 「旧体質が残っている」 – 年功序列や“見て覚える”文化が根強く、新人教育が不十分との指摘。
- 「女性のキャリア形成に課題」 – 管理職に占める女性の割合が低く、出産・育児後の復職支援にもばらつきあり。
口コミの総合解説
シロキ工業の口コミは、アイシングループの安定性と福利厚生を評価する声が多く見られる一方で、評価制度の不透明さや職場の風土に関する不満も一定数存在します。部署ごとの風土や上司の裁量による運用の違いが大きく、個人の印象によって働きやすさが大きく左右される点が浮き彫りになっています。全体としては、「安定を求める人には向いているが、成長志向の強い人には物足りない」といったバランス評価が目立ちます。
将来的な展望
アイシンシロキ株式会社は、EV化や自動運転技術の進展に対応するため、製品の軽量化や新技術の開発に取り組んでいます。親会社であるアイシンとの連携を強化し、グローバルな供給体制を構築することで、持続的な成長を目指しています。今後は、収益性の改善や職場環境の整備が課題となります。