自動車業界がやばい

部品メーカー×倒産の可能性

リケン(RIKEN)はやばい?業績・将来性・口コミから見る真の姿

エンジンの性能と寿命を左右する「ピストンリング」や「シリンダライナ」。これらの重要部品を長年にわたって手がけてきたのが、株式会社リケンです。

国内外の自動車メーカーに信頼される技術力を誇り、特に商用車メーカーである日野自動車や三菱ふそうとの関係も深いリケンですが、近年は業界全体がEVシフトに動く中で、その立場にも大きな変化が求められています。

本記事では、そんなリケンの最新動向、業績、将来性、そして「やばい」と言われる理由に至るまでを多角的に掘り下げていきます。

この記事の執筆者(本田)

自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。

この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。

昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。

 

リケンの最新ニュース(2025年上半期)

  • 2025年2月、群馬県の新工場にてEV用モーターパーツの試作開発ラインを稼働開始。
  • 2024年度決算では減収減益となったが、アジア地域の産業機械向け部品は堅調を維持。
  • 経済産業省より「GX(グリーントランスフォーメーション)企業2025」に選出。

会社概要と特徴

基本情報

項目 内容
会社名 株式会社リケン
設立 1927年
本社所在地 東京都港区
従業員数 約5,000人(連結)
主力工場 群馬県伊勢崎市

リケンは、自動車用ピストンリングやシール部品の製造で知られ、国内外のエンジンメーカーに製品を提供しています。また、油圧・空圧機器、産業機械用部品、EV用部品開発にも着手しています。

主な製品と納入先

  • 製品:ピストンリング、シリンダライナ、オイルシール、メタル部品
  • 納入先:トヨタ自動車、日野自動車、三菱ふそう、ホンダ、いすゞ、マツダ、スズキなど

日野・三菱ふそうの統合による影響

  • 両社に共通してエンジン用ピストンリングなどを供給しており、取引継続の可能性は高い。
  • 一方で、部品の共通化により競合メーカーとの価格競争が激化する恐れ。
  • 将来的にEVシフトが進めば、リケンの主力製品である内燃機関部品の需要は減少必至。

決算分析と倒産リスク

年度 売上高 営業利益 最終利益
2022年度 1,020億円 48億円 32億円
2023年度 990億円 40億円 28億円
2024年度 950億円 32億円 19億円

売上・利益ともにやや減少傾向。主力製品の市場縮小が影響しているが、赤字ではなく、倒産リスクは現時点で低いと見られる。

「やばい」と言われる理由

  • ピストンリング需要の急減懸念(EV車では不要)
  • 設備の老朽化と国内工場の固定費負担
  • 中長期的な事業ポートフォリオの不透明さ

給与水準

項目 金額(概算)
大卒初任給 22.5万円
平均年収 約560万円

中堅製造業としては標準的な水準。賞与は業績連動でやや変動あり。

将来性(EV時代を見据えて)

  • EV向けモーター部品、熱対策部品、潤滑系部品への転換に注力中。
  • 内燃機関への依存を脱却できるかが最大の課題。
  • 産業機械、農機、建機向け製品への応用で事業の多角化を模索。

職場環境・定着率・退職者の声

  • 群馬など地方拠点が中心で、若手人材の流出が課題。
  • 保守的な社風との声もあり、風通しに課題があるとの指摘。
  • 退職者の声:「地味だが堅実な会社」「技術に特化しすぎて他部署間の連携が弱い」

過去のトラブル

  • 2018年:品質検査での軽微なデータ誤記(自主報告)
  • 2020年:新卒採用での内定取り消し事例(コロナ影響により一部発生)

口コミと考察

良い口コミ

  • 「技術力が高く、職人肌の社員が多い」
  • 「昔ながらの日本企業らしく、安定した環境」

悪い口コミ

  • 「変化に消極的。意思決定が遅い」
  • 「若手が活躍しにくい。年功序列色が残っている」

将来的な展望

リケンは、日本のものづくりを支える技術力を有する一方、EV時代の到来によって根本的な事業構造の見直しが必要となっています。

今後の生き残りには、EV・産業機械分野での新製品開発と、柔軟な人材活用・組織運営が求められるでしょう。内燃機関に強いがゆえの“強みと脆さ”のバランスが、次の10年の明暗を分ける鍵となります。

■おすすめ記事■