JVCケンウッドは、AV機器から無線通信、車載機器、医療・放送機器まで幅広い製品を手掛ける日本の総合エレクトロニクスメーカーです。
日産自動車との取引実績を持つほか、EV・コネクテッドカー時代を見据えた技術開発にも力を入れており、今後の動向が注目されています。
本記事では、JVCケンウッドの会社概要や決算動向、「やばい」と言われる背景、将来性や職場環境、口コミまでを詳しく掘り下げて解説します。
この記事の執筆者(本田)
自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。
この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。
昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。
- JVCケンウッドの最新ニュース
- 会社概要・特徴
- 日産自動車との関係性と影響
- 決算分析(倒産リスク)
- 「やばい」と言われる理由
- 給与水準(初任給)
- 将来性(EV時代)
- 職場環境(退職者・定着率など)
- 退職者の声
- 過去に起きたトラブル
- 口コミ(良い・悪い・考察)
- 将来的な展望
JVCケンウッドの最新ニュース
- 2025年3月、イタリア消防庁向けにデジタル無線システムを受注
- 同時期、無線グループのJVCKENWOOD USAがEFJohnsonと技術再編し、P25/NXDN/DMR分野で競争力強化
- プロジェクター「DLA‑NZ700」「DLA‑NZ500」がiFデザイン賞2025受賞
会社概要・特徴
項目 | 内容 |
---|---|
設立 | 2008年(JVC+Kenwood統合) |
本社 | 神奈川県横浜市 |
従業員(連結) | 約18,000名(2021年) |
主力製品 | 車載AV、業務無線、プロジェクター、録画機器、医療・放送機器 |
納入先 | 主要自動車メーカー(車載AV)、消防・公共安全機関(無線)、放送局・医療機関 |
日産自動車との関係性と影響
車載AV分野では日産を含む多メーカー向けに供給実績あり。日産依存ではないものの、EV・コネクテッドカー需要の伸びには恩恵が期待されます。
決算分析(倒産リスク)
2025年3月期 中間/通期予想(IFRS)
指標 | 2025中間 | 2025通期 | 前期比 |
---|---|---|---|
売上収益 | 1,766億円 | 3,703億円 | +3.0% ↑ |
事業利益 | 130億円 | 253億円 | +28.4% ↑ |
営業利益 | 218億円(通期) | — | +19.6% ↑ |
当期利益 | 203億円 | — | +55.8% ↑ |
自己資本比率 | — | — | — |
全分野で増益、事業利益率改善中。自己株取得や配当上方修正も決定し、倒産可能性は極めて低い。
「やばい」と言われる理由
- AV領域で競合激化、収益性がやや圧迫されている
- 統合後のガバナンス・組織文化の整備が課題
- 業績好調も、特定市場(無線・OEM)への依存度が高い
給与水準(初任給)
- 新卒初任給の公表はなし。平均年収は400万~600万円台と推定
- 職種や経験で大きく異なるが、業務無線部門では高い技術力により報酬水準も高め
将来性(EV時代)
- 車載AV・ディスプレイオーディオ製品はEVで一層重要に
- テレマティクス無線はコネクテッドカーと自動運転のインフラとして中核
- VISION2025でデジタル・公共安全・無線に注力、EV車・産業用車にも強み拡大中
職場環境(退職者・定着率など)
- 連結従業員約18,000名の大企業体。平均勤続年数や離職率は業界平均程度
- グローバル展開、多様な職場があり、キャリアパスも豊富
- ただし統合後の部門間軋轢、組織再編に伴う混乱も報じられる
退職者の声
- 「海外無線部門では先進技術に触れられる」「公共安全市場で社会的意義を感じる」
- 「部署によって働きやすさが大きく差がある」「評価制度の透明性に不満」
過去に起きたトラブル
- 特に大きな品質問題や法令違反の報告は見当たらず、ガバナンス面では比較的良好
口コミ(良い・悪い・考察)
良い口コミ
- 「無線技術の最先端に携われる」「海外拠点との連携が新鮮」
- 「安定した経営と福利厚生が安心感をもたらす」
悪い口コミ
- 「部署間の文化差が大きく、戸惑うことも」「評価制度が統一されていない」
- 「AV部門は価格競争が激しく、利益率が低い」
技術・事業ポートフォリオでは強みがあるものの、組織文化の成熟度や分野間バランスに改善余地あり。
将来的な展望
JVCKENWOODは無線通信を軸にAV、自動車向け機器を強みとし、EV・コネクテッドカー時代に向けた製品開発を進めています。VISION2025の着実な進捗により収益基盤は着実に拡大中。今後は組織統合の成熟、ガバナンス強化、そして高付加価値領域の製品開発で「安定×革新」の企業として飛躍する可能性があります。