自動車業界がやばい

部品メーカー×倒産の可能性

クシロブレーキは大丈夫?赤字決算と「やばい」と噂される理由とは

クシロブレーキ株式会社は、1932年創業のブレーキ摩擦材専門メーカーとして、国内の商用車市場において長年にわたり実績を築いてきた老舗企業です。

中小規模ながら、自社開発のライニングやパッドを安定供給し、製造から販売まで一貫した体制を確立しています。

一方で、赤字決算や給与水準に関する懸念もあり、EV化が進む自動車業界において今後どのような対応をしていくのか注目されています。この記事では、同社の業績、職場環境、将来性について多角的に分析します。

この記事の執筆者(本田)

自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。

この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。

昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。

 

最新ニュース

  • 特に目立つ直近ニュースは確認できず、業界内の安定的な専門性が保たれている状況です。

会社概要・特徴(製品・納入先)

  • 設立:1932年/資本金:1億円/従業員:125名(2024年3月)
  • 製品:商用車向けブレーキライニング・ブレーキパッド
  • 特徴:国内唯一の摩擦材専業メーカーで、開発から製造・販売まで一貫体制
  • 納入先:主に商用車メーカー、大手自動車部品卸や修理市場

クシロブレーキと日野自動車の関係性

主力顧客としての日野自動車

クシロブレーキ工業株式会社は、商用車向けブレーキ部品を専門とするメーカーであり、日野自動車はその主要取引先の一つです。大型トラックやバス向けに供給されるディスクブレーキ、ドラムブレーキ、ABS部品などの多くが日野車両に採用されています。

長年の納入実績と信頼関係

クシロブレーキは創業以来、日野自動車のニーズに合わせた製品開発と品質管理を継続しており、その信頼性の高さから長期的な取引が続いています。特に「安全性」「耐久性」「メンテナンス性」の面で高い評価を得ています。

新型車両向けの技術対応

近年の日野自動車は、EV(電気自動車)・FCV(水素燃料車)といった次世代商用車の開発を進めており、クシロブレーキもそれに対応した軽量・高性能なブレーキ製品の開発を強化しています。両社は安全技術の進化に向けて連携を深めています。

サプライチェーン上の重要パートナー

クシロブレーキは、日野自動車の国内外の製造拠点向けに製品を安定供給する体制を構築しており、日野のグローバルな商用車事業を支える重要な部品サプライヤーの一社となっています。

決算分析(倒産の可能性)

直近期(官報・公開情報より)

項目 金額 前年比
従業員数 125名
純利益 約△6,554万円

直近では純利益が赤字となっているものの、従業員規模や設備投資等を踏まえると倒産リスクは低く、事業継続は可能と見られます 。

「やばい」と言われる理由

  • 小規模企業であるため、景気の変動やOEM依存の技術リスクが顕在化しやすい
  • 赤字決算となった時期があり、財務体質への懸念がある
  • 製品ポートフォリオが摩擦材に限られ、多角化が進んでいない

給与水準(初任給)

  • 明確な公表はないものの、口コミでは「基本給が非常に低い」「アルバイト水準」という声も
  • 賞与の記録は少なく、固定給・基本給中心の給与構造がうかがえる

将来性(EV車になった時)

  • 商用車向け摩擦材はEV化でもニーズが続くが、性能要件の変化や新素材対応が求められる
  • 新分野への多角化や開発力強化ができない場合、EV移行時に取り残される懸念あり
  • 国内唯一の摩擦材専業という強みはあるが、環境規制やさらなる技術革新への対応が急務

職場環境(退職者・定着率など)

  • 平均評価約3.5/5と総じて高評価
  • 残業少なめ、有給取得しやすい環境 ―「公務員並」
  • 家族やプライベートとの両立が可能との声あり

退職者の声

  • 「資格取得支援あり」「働きやすい」一方で、「給与が安すぎる」との厳しい評価もあります
  • 「福利厚生は良いが昇給には限界がある」などの声も散見されます

過去に起きたトラブル

  • 重大な品質事故や不祥事の公的記録は見当たらず、企業としてのコンプライアンスに大きな問題は見られません。

口コミ(良い・悪い・考察)

良い口コミ

  • 「資格取得費用を会社が負担」「公務員並みの休日制度」
  • 「職場の雰囲気がよく、助け合いがある」

悪い口コミ

  • 「基本給が非常に低く、昇給に伸びしろが感じられない」
  • 「大手とのシェア配分が固く、新規増産は見込めない」

職場環境の良さは評価されるが、給与と成長機会に限界を感じる社員の声が根強く、採用・定着に影響を与える可能性があります。

将来的な展望

クシロブレーキは、高い技術力と専門性を持つ中小部品メーカーとして、安定した事業基盤を持っています。不足しているのは収益の安定化と技術革新の加速です。EV時代には性能向上が必須となる摩擦材であり、開発投資と市場ニーズへの即応体制が成長の鍵となります。給与・組織制度の見直しによる人材定着と、新素材・新領域への展開が実現すれば、「安定×革新」を両立できるポテンシャルを秘めています。

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