自動車業界がやばい

部品メーカー×倒産の可能性

「トピー工業の経営状況は大丈夫か?倒産リスク・日産との関係・将来性を検証」

トピー工業株式会社は、1921年創業の総合金属メーカーで、鉄鋼素材からホイールやプレス部品など自動車・建設機械向け製品まで一貫生産体制を構築しています。

日産をはじめ国内外の主要OEMに供給し、グローバル展開と中期経営計画「TOPY Active & Challenge 2027」を推進中です。一方で市況変動やEVシフトへの対応、人材育成など課題も浮き彫りになっています。

本記事では、最新動向から決算分析、職場環境、口コミまで深掘りして解説します。

この記事の執筆者(本田)

自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。

この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。

昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。

 

トピー工業の最新ニュース

  • 2025年5月、2024年度通期決算発表:経常利益62.4億円(前期比▲40.3%)、来期は71億円(+13.7%)を予想し27円増配へ
  • 中期経営計画「TOPY Active & Challenge 2027」で営業利益130億円超を目指す
  • アルミホイール量産設備導入へ。日産向け含むEV車への軽量化対応を強化

会社概要・特徴

項目 内容
設立 1921年10月、本社:東京都品川区
従業員数 連結:5,621名、単体:1,764名(2024年3月)
資本金 209億8,300万円
主力製品 スチール・アルミホイール、プレス部品(ボンネット・ルーフ等)
納入先 自動車各社(日産、トヨタ、スズキ、ダイハツ、いすゞ、本田技研など)、建機・造船メーカー

トピー工業は鉄鋼から加工・組立まで一貫生産が強みで、国内外の自動車・建機系OEMへの供給力も高い評価を受けています。

日産自動車との関係性と影響

日産自動車へのホイール・金属部品の納入実績があり、日産の車種変更やEVシフトに左右される側面もあります。一方、トヨタやスズキ等ほかOEMへの供給がバランスを支える構造です。

決算分析(倒産可能性)

2023–2025年3月期 業績推移

売上高(百万円) 営業利益 経常利益 純利益
2023 334,496 7,175 8,043 6,321
2024 333,992 10,440 10,462 4,676
2025 300,610 5,300 6,246 6,387

2025年3月期は売上▲10%、営業利益▲49%と市況悪化の影響が顕著でしたが、自己資本比率約48%と財務健全性は維持。倒産リスクは低水準です。

「やばい」と言われる理由

  • 鋼材価格や建設・自動車市場の景気変動に直結しやすい構造
  • EV車対応でのアルミ化や軽量化への対応が急務
  • 事業多角化や付加価値製品への進出がやや遅れている

給与水準(初任給も)

  • 大卒初任給:約20万円前後(業界平均水準)
  • 平均年収は400~600万円台と推定され、景気に応じた変動がある

将来性(EVシフト対応)

  • アルミホイールの量産拡充と軽量化技術への投資を強化
  • 中期計画で70億円超の経常利益予想、事業再構築と海外拡大に注力

職場環境(退職者・定着率など)

  • 平均勤続年数17.9年、有給取得16.5日/月残業13.4時間、男性育休取得率81.5%
  • 大規模工場とグローバル拠点によりキャリアパスが多様

退職者の声

  • 「安定性と福利厚生に満足」「手応えのある仕事が多い」
  • 「景気による賞与変動が大きい」「EV関連技術の教育不足を感じる」との声も

過去に起きたトラブル

  • 重大品質事故や法令違反の報告は見当たらず、コンプライアンスはおおむね良好

トピー工業の口コミまとめ

良い口コミ

  • 福利厚生が手厚い:社員寮、社宅、保養所、診療所などが完備されており、生活面でのサポートが充実。
  • 賞与が安定:業績連動ながら年間約8ヶ月分支給される年もあり、給与水準は堅実。
  • 残業代は全額支給:サービス残業の心配が少ないという声が多い。
  • 若手でも裁量ある仕事を任される:若手でもプロジェクトや改善業務に関与でき、成長機会がある。
  • フレックス制度あり:設計系など一部部署では、フレキシブルな働き方が可能。

悪い口コミ

  • 部署ごとの環境格差:風通しの良い部署とそうでない部署の差が大きく、「運次第」との声も。
  • 旧態依然とした社風:パワハラ体質や昭和的な上下関係が一部に残っている。
  • 保守的な経営体質:挑戦的な文化やベンチャー的な活力は乏しく、変革が起きにくい。
  • 女性の働きやすさに課題:制度面は整っているが、現場での理解や支援が追いついていないとの声も。
  • 業務の属人化:長年の慣習が根強く、新人が入りづらい雰囲気の現場もある。

解析・総評

トピー工業は、古くから続く重厚長大型メーカーとして安定感福利厚生の充実が高く評価されています。 特に住宅手当や社宅制度は地方勤務者にとって魅力があり、給与水準も同業他社と比べて安定しています。 一方で、組織風土は伝統色が強く、変化を嫌う保守的な文化や、部署間の格差といった構造的な課題が目立ちます。 若手や女性のキャリア支援、DX推進など、企業全体として時代に即した体制強化が求められる局面にあるといえるでしょう。

将来的な展望

トピー工業は一貫生産基盤と主要OEMへの供給力に加え、EV時代に向けたアルミホイール技術を強化中です。中期経営計画の達成と軽量化事業の拡張が実現すれば、鉄鋼依存からの脱却と付加価値製造への転換が期待されます。今後は素材や加工技術の革新と市場多角化を通じて「変革する老舗メーカー」として再評価される可能性が高いと考えられます。