自動車業界がやばい

部品メーカー×倒産の可能性

フォルム株式会社を徹底分析|老舗部品メーカーの実力・課題・将来性とは

フォルム株式会社(FORM Co., Ltd.)は、大型トラックやバス向けの鋼板構造部品を中心に製造する老舗の自動車部品メーカーです。

1950年の創業以来、自社での金型設計からプレス加工、溶接、塗装、組立まで一貫して行う生産体制を築き、三菱ふそうや日産など国内大手メーカーとの取引を継続しています。EV化やカーボンニュートラルなど、自動車産業の構造変化が進むなかで、フォルムは高い技術力を活かしてどのように対応し、成長を模索しているのでしょうか。

本記事では、企業の特徴や決算状況、取引先との関係、社内環境、将来性について多角的に分析します。

この記事の執筆者(本田)

自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。

この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。

昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。

 

フォルムの最新ニュース

  • 創業70年以上を迎え、三菱ふそう・日産との取引を継続中
  • ISO9001・ISO14001認証を取得し、品質と環境対応の両立を強化

会社概要・特徴

項目 内容
創業/法人化 1950年創業、1969年法人化
本社所在地 神奈川県横浜市都筑区佐江戸町
資本金 3,200万円
従業員数 約350名(本社:約37名、茨城工場:約314名)
売上高 約100億円(グループ連結)
主力製品 キャブサスペンション、クラッチペダル、アクスルハウジング、エアタンク等

フォルムは「設計→試作→製造→出荷」までを内製化し、量産品質とコスト競争力を両立。大型商用車の安全性・耐久性を支える重要部品を供給しています。

製品と納入先

  • 主要製品:プレス品、鋼管溶接品、構造部品、サスペンション部品など
  • 納入先企業:三菱ふそう、日産、いすゞ、プレス工業などの大手自動車メーカー

決算分析(2024年度)

項目 金額(概算) 備考
売上高 約100億円 安定した年商水準
営業利益 非公開 利益率は低めと推定

財務面では中堅企業らしく安定推移。営業利益の非公開はやや懸念点ですが、大手OEMとの取引基盤から倒産リスクは低めと評価されます。

日産自動車との関係性

  • フォルムは日産自動車に構造部品を長年供給
  • 売上に占める比率は非公開だが、主要顧客の一つとされる
  • 日産車向けの量産納入が複数継続されていると推測

「フォルムはやばい」と言われる理由とは?

  • 固定費の高い内製体制ゆえに景気悪化時の耐性に不安がある
  • 知名度が低いため「情報が少ない=不安」という外部評価が付きやすい

給与水準(初任給・平均年収)

  • 初任給:大卒 約21〜23万円(技術系・総合職)
  • 平均年収:400万円前後(中小製造業の相場水準)

職場環境・社風・退職者の声

  • 福利厚生や雰囲気は「家族的で穏やか」との声多数
  • 「年功序列の風土が根強く、若手がやや埋もれやすい」
  • 「職種が限定的でキャリア展開がしにくい」などの意見も

過去のトラブル・品質問題

  • 大規模なリコールや不祥事の記録はなし
  • 過去に生産負荷の高まりで納期対応に苦慮した事例あり

口コミ評価・総合考察

良い口コミ

  • 「技術職として手に職がつく」「溶接やプレスなど基礎力が磨ける」
  • 「大手との安定した取引が強み」

悪い口コミ

  • 「評価制度が曖昧」「組織が年功的で変化に乏しい」
  • 「キャリアの選択肢が狭く感じる」との声も

フォルムは、ものづくり志向の技術職にとっては魅力のある環境である一方、評価制度や人材の流動性には改善の余地があります。

将来的な展望と成長戦略

  • EV化に向けた軽量構造部品や複合材料部品の開発を強化
  • 農業機械・建設機械などへの事業転用でリスク分散を模索
  • 若手人材の教育・定着と組織の近代化が重要課題

フォルム株式会社は、長年の信頼・品質・一貫生産体制を武器に、EV時代でも存在感を維持しようとしています。中堅部品メーカーとしての地力を活かし、今後の転換期をどう乗り越えるかが注目されます。

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