東京濾器(TOKYO ROKI)は、自動車用フィルタや排ガス処理装置など、エンジン周辺部品を専門に製造する独立系の自動車部品メーカーです。
国内外の主要自動車メーカーに製品を供給しており、高い品質と環境性能を評価されています。近年では、EV化の波に対応するための製品開発や新市場への進出にも取り組んでおり、技術継承と変革の狭間に立つ注目企業です。
本記事では、最新ニュース、会社概要、財務分析、日産との関係、社内環境や口コミ、将来の展望までを多角的に整理・解説します。
この記事の執筆者(本田)
自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。
この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。
昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。
- 東京濾器の最新ニュース(サプライヤー動向)
- 会社概要と特徴
- 主力製品と納入先
- 決算分析(2024年3月期)
- 日産自動車との関係性と供給実態
- 「やばい」と言われる背景
- 給与水準
- 職場環境と退職者の声
- 過去のトラブルと対応
- 口コミまとめと考察
- 将来展望とEV時代への適応
東京濾器の最新ニュース(サプライヤー動向)
- 2024年5月:スバルより「生産供給貢献賞」を受賞
- 2024年6月12日:特級プラスチック成形技能士を輩出
- 2023年10月:中国・蘇州工場の生産終了を発表
会社概要と特徴
項目 | 内容 |
---|---|
設立 | 1949年3月29日 |
所在地 | 神奈川県横浜市都筑区 |
資本金 | 20億円 |
従業員数 | 990名(単体) |
売上高 | 699億円(2024年3月期) |
主力製品 | フィルター、EGRクーラー、排ガス部品 |
東京濾器は、自動車向けのろ過部品や排気系部品を強みとする中堅メーカーで、高品質な部品を日本および世界の自動車メーカーに供給しています。
主力製品と納入先
- 製品:オイルミストセパレータ、インテークマニホールド、EGRクーラー
- 納入先:トヨタ、ホンダ、スバル、日産、いすゞ、スズキなど多数
決算分析(2024年3月期)
項目 | 数値 | 前年比 |
---|---|---|
売上高 | 699億円 | ▲6.5% |
営業利益 | 非公表 | ― |
売上は減少傾向にあるものの、収益構造は堅調。情報開示は限定的ながら、債務リスクは低く、安定した財務体質と評価されています。
日産自動車との関係性と供給実態
- 日産向け製品を直接・間接に供給している可能性が高い
- ティア2サプライヤーとして、一次請け企業経由で部品納入している構造もある
- 売上比率は非開示だが、日産の内燃機構成部品に一定の依存あり
東京濾器は、エンジンや排ガス処理システムに関わる部品で日産車両に技術的貢献しており、軽量化・燃費効率の面でOEMから一定の評価を得ています。
「やばい」と言われる背景
- EV化による内燃機関部品の需要減少
- 中国・蘇州工場閉鎖に伴うグローバル供給網の縮小
- 中堅規模ゆえに、研究開発・設備投資が限られる懸念
給与水準
- 初任給:約28万円(大卒・理系総合職)
- 平均年収:約467万円(口コミベース)
職場環境と退職者の声
- 勤務時間・有給取得率は平均的
- 「技術力はあるが、評価制度にばらつきがある」との声
- 「成長性にやや不安」「安定しているが変化に乏しい」
過去のトラブルと対応
- 中国工場閉鎖に伴う供給体制再構築
- 重大な品質不良・リコール情報は確認されていない
口コミまとめと考察
良い点
- 製品品質と耐久性には定評があり、安定供給力も高い
- スバル・トヨタなどから表彰実績あり
悪い点
- EV・次世代パワートレイン対応が遅れている
- 人事制度や組織運営に課題が残る
東京濾器は製造品質に強みを持つ企業ですが、EV化の進展や外的変化に対して柔軟な対応力を求められています。技術革新と新規事業展開の加速が今後の成長のカギとなるでしょう。
将来展望とEV時代への適応
- EV向け冷却フィルター・モーター周辺部品の開発強化
- 空気浄化・水処理フィルターなど、非自動車分野への応用可能性
- 他社との技術連携や外部資本活用による事業拡張に期待
東京濾器は、内燃機関に依存する体制からの脱却が急務です。フィルター技術のコアを活かし、環境対応・産業用途への応用ができるかどうかが、今後の競争力を左右します。