ニッパツ機工株式会社は、1957年創業の横浜機工を前身とし、2011年に日本発条株式会社(ニッパツ)から分社化されて誕生した自動車部品メーカーです。
自動車の安定走行に欠かせないスタビライザ(横揺れ防止用ばね)を主力製品とし、国内トップクラスのシェアを誇ります。神奈川県伊勢原市に本社を構え、トヨタや日産をはじめとする国内主要自動車メーカーへ納入。
堅実な技術と生産体制に定評がある一方で、EVシフトへの対応や若手人材の定着、給与面などの課題も浮き彫りになりつつあります。
本記事では、ニッパツ機工の最新動向から企業体質、将来性までを多角的に検証していきます。
この記事の執筆者(本田)
自動車業界で働いて20年。様々な工場に出入りしてきました。
この20年間で、大企業から零細企業まで仕事を通じて見てきましたが、中には倒産や廃業してしまった会社も残念ながら多くあります。
昨今の自動車業界の大変革により、厳しさが増している業界の情報を発信していますので、自動車業界に従事している方は、ぜひ、お役立てください。
- ニッパツ工機の会社概要・特徴
- 最新ニュース
- 決算分析(参考:日本発条グループ内事業)
- 日産自動車との関係性(リスク)
- 「やばい」と言われている理由
- 給与水準(初任給含む)
- 職場環境・退職者の声
- 過去に起きたトラブル
- 口コミまとめ
- 将来的な展望
ニッパツ工機の会社概要・特徴
項目 | 内容 |
---|---|
社名 | ニッパツ機工株式会社 |
設立 | 2011年(旧:横浜機工1957年設立) |
本社 | 神奈川県伊勢原市鈴川46 |
資本金 | 1億円(日本発条100%出資) |
従業員数 | 約360名(2024年度) |
主力製品 | 自動車用スタビライザ(トーションバー、コイルスプリング) |
納入先 | 日産自動車、トヨタ、ホンダ、マツダ、スズキなど国内自動車メーカー各社 |
スタビライザの国内シェアは約67%。冷間鍛造から加工、塗装、組立まで一貫対応できる生産体制を構築しており、高い品質安定性が評価されています。
最新ニュース
- 2024年10月:スタビライザ新ライン増設(伊勢原工場)
- 2025年1月:技能実習生の常勤化による新体制へ移行
決算分析(参考:日本発条グループ内事業)
指標 | 2024年度(推定) | 傾向 |
---|---|---|
売上高 | 非公開(グループ内一部) | 微減傾向 |
利益 | 黒字(安定) | 横ばい |
自己資本比率 | 高水準(親会社支援あり) | 安定 |
単独での決算公開はありませんが、ニッパツグループ内の安定黒字事業とされ、財務リスクは低いとみられます。
倒産の可能性
- 親会社の資本支援あり
- 国内自動車各社との強固な納入関係
- 製品がEVにも引き続き必要とされるため急激な衰退リスクは低い
日産自動車との関係性(リスク)
- 主要取引先の一つであるが依存は特定していない
- 日産のEV戦略により一部サスペンション系統の設計変更リスクあり
「やばい」と言われている理由
- 親会社(ニッパツ)の業績が停滞気味
- スタビライザの市場が成熟し成長鈍化
- 福利厚生や給与面が競合と比較して控えめとの声も
給与水準(初任給含む)
- 初任給:高卒18万円前後/大卒21万円前後(推定)
- 平均年収:約400万~450万円(工場勤務)
職場環境・退職者の声
- 勤続年数が長いベテラン社員が多く、安定志向の社風
- 技能職は休暇取得しやすいが、現場職はやや拘束時間が長い
- 評価制度は形式的との意見もある
退職者の声
- 「年功序列が強く、若手の裁量が少ない」
- 「福利厚生は普通だが、工場作業は単調で体力勝負」
- 「地元で働ける安定企業としては良い選択肢」
過去に起きたトラブル
報道されるような重大な労務・品質トラブルは確認されておらず、比較的コンプライアンス遵守姿勢が評価されています。
口コミまとめ
良い口コミ
- 安定した職場環境
- 有給休暇の取得しやすさ
- ローテーションや異動が少なく、地元密着型
悪い口コミ
- 給与・昇進が年功型で成果が反映されにくい
- キャリアアップ機会が限定的
- EV市場との関連がやや見えづらい
将来的な展望
- EV車にも引き続きサスペンション系部品は必要不可欠
- 軽量化や素材改良など技術革新が今後の競争軸
- 安定成長型企業として、爆発力よりも堅実経営を継続
ニッパツ機工は「地味だが堅実」な企業です。大手OEMとの取引・親会社の支援という盤石な基盤があり、目立たぬながらも将来に向けたポジションを着実に築いています。EV・自動運転など環境変化に応じた柔軟な対応ができるかが、今後のカギとなるでしょう。